ドローン点検の事故って、
いきなり大きなミスが起きて発生するものではありません。
現場で話を聞いたり、実際の点検を見ていると、
「あ、これは危ない方向に進み始めているな」
と感じる瞬間があります。
ただ、その時点では、
本人も周りも、まだそこまで危険だとは思っていません。
最初は、ほんの小さな油断から
多いのは、こんな流れです。
最初のフライトは問題なく終わる。
映像もきれいに撮れている。
予定していた工程も順調。
すると、
「このままいけそうだな」
という気持ちが自然と出てきます。
でも、このタイミングが一番危ないことも多いです。
「さっき大丈夫だった」が判断を鈍らせる
風向きが少し変わったり、
思ったより構造物に近づいていたり。
本当は気づいているのに、
「まあ、さっき飛べたし大丈夫か」
と、そのまま続けてしまう。
この時点では、操縦が荒れているわけでもなく、
トラブルが起きているわけでもありません。
だからこそ、止める判断が遅れます。
危険は、静かに積み重なっていく
あとから振り返ると、
「あの時点でやめておけばよかった」
というポイントが必ずあります。
でも現場では、
・時間が気になる
・もう少しで撮影が終わる
・ここまで来たらやり切りたい
そんな気持ちが重なって、
一歩引く判断がしづらくなります。
この「引けなくなる感じ」が、
事故につながる一番の原因です。
上手い人ほど、早く引く
安全に点検をしている人ほど、
実は飛ばす時間は短いです。
少しでも違和感があれば、
迷わず距離を取る、いったん止める。
それは慎重だからというより、
「危ない流れに入ったら戻れない」
と分かっているからです。
判断を支えているのは、基準
その違いを生んでいるのが、判断基準です。
・この風なら中断する
・この距離になったら下がる
・この状況では無理をしない
感覚ではなく、
あらかじめ決めたラインがあるから、
迷わず止まれます。
点検の仕事を続けるために
ドローン点検は、
一回うまくいけばいい仕事ではありません。
事故を起こさず、
同じ現場に何度も呼ばれることが大切です。
そのために必要なのは、
操縦の上手さよりも、
危ない流れに気づいて引けるかどうか。
この力は、経験だけで身につくものではなく、
意識して学ぶことで、確実に身についていきます。